風"s・風のたよりオンライン版


2001/2/25 No.42


 2001年2月10日録音テープより、フェア・トレードとチョコレートの話
 スイスのフェア・トレード(公正貿易)団体クラロの二人の女性が来日。東京早稲田奉仕園にて

■スイスのチョコレート
 スイスはチョコレートで有名です。世界的に有名なブランドがあります。チョコレートの材料のココア・砂糖はいずれも熱帯地方で作られすべて輸入しています。グローバルな商品です。ミルクチョコレートの材料てあるミルクはスイス産です。
■エル・セイボ(ボリビア)
 ココアの生産者はアルト・ベニ地方の組合で、セイボとは熱帯地方の木で、倒されても芽を出す勢力のある木です。野生の木は10〜20メートルにもなりますが、栽培に適したし5メートルの低い木に改良して栽培しています。
 カカオは花と同時に枝に実がつきます。ひとつの実に20〜50ぐらいの豆がつきます。豆についいる白い部分を発酵させ、乾かしカカオ豆を取り出します。
■35%高い値での買取
 エル・セイボ以外の人は、売りに出すには遠くて、運搬手段が無く、仲買人に安い値で売るしか方法はなく、選択はできません。
 エル・セイボは80年代にトラックを購入。260km離れたボリビア一番の商業都市ラパスに自らの手で出荷します。ラパスは4,000メートルの高地です。アルトベニは200メートルの低いところです。山道を16時間ほどかかるときもあります。ラパスの工場では、ココアパウダーとココアバターにして、チリの港から(ボリビアは内陸の国)スイスのバーゼルの港まで出荷します。
 エルセイボでは他の市場価格より35%高い値で売ることができます。またカカオの生産だけに頼らず他の食物、例えばハイビスカスティーなども作っています。
■民主的な運営と福祉プログラム
 設備投資や農民の健康のためのプログラム、怪我したときの保険などの福祉も充実しています。
 エル・セイボのすごいところは、加工をすることです。農民の、農民の手による設備です。先進国で投資して加工する例はありますが、フェア・トレードによって投資ができたため加工設備ができました。
 事務局長・理事・監査役等、農民の人が選挙しあって代表を選びます。そして2年間事務所勤務になります。その間は家族が畑を手伝ったり、また他の人に畑を貸したりしています。このように農民自身の手により、民主的に運営されています。
■フィリピンのネグロス島の黒糖(マスコバド糖)
 砂糖は70年代に人工甘味料が発明されたために需要が減ってしまいました。砂糖の価格が暴落したため、生産者の人々は職を失ったり、または困窮した生活を余儀なくされました。80年代は飢餓の島と言われた程です。
 日本の団体オルター・トレード・ジャパンの支援で、500家族の農家が消費者と顔の見える関係を築き、さとうきびから搾った黒糖を輸出しています。
 サトウキビを絞る施設を持っていってジュースにして、熱して冷やして結晶させます。テーブルのようなところで広げて乾かし黒砂糖ができます。クラロはこの黒糖を大量に輸入しています。農家は、自給していけるように米やトウモロコシも作っています。
■一般の3倍もかけてチョコレートを練ります。
 カカオは豆で輸入しカカオマスとカカオバターにわけます。エル・セイボで作っているカカオバターも混ぜ練り、ココアリカー(液体のようなもの)を作り、砂糖を加え練ると、非常に時間をかけれて素晴らしい香りがでるようになります。
 大量生産のチョコレートは白砂糖を使います。その工程では24時間ぐらい練りますが、黒糖のチョコレートは約3倍の76時間ほど時間をかけています。
 1997年にEUは原料のカカオバターが5%台でもチョコレートということを決めました。(ヨーロッパの国によって違うチョコレートの定義を決めるために)これはカカオが要らなくなるパーセンテージでもあります。試算によれば、カカオが50,000トンから200,000トンも余ります。余って値が崩れ20%下がるのではないかと言われています。
 クラロのチョコレートは植物油脂は全く混ぜません。(遺伝子組み替えの心配もありません)
■農薬を使わない伝統的な農法
 オーガニックであることは、フェア・トレードのチョコレートと一般的なチョコレートの違いの一つです。 小規模農家の人が農薬を使わない伝統的な農法で作っています。農薬を使わないということは生産者にとっても健康を害することはなく、土壌など環境にも不可をかけません。
 クラロはオーガニックの生産者を応援しています。認定を受けるにはお金がかかったり、手続きが面倒で申請をしない人もいますが、だからといって取引をしないということはありません。
■公正価格以外に心していること....
1. 品質管理や技術的な援助をする。
2. なるべく生産地で最終製品の加工までする。例外がチョコレートです。品質の高いチョコレートができないため。
3. 発注するときに50%払います。設備投資ができるように、また生活に困らないようを前払いします。
■クラロの誕生
 25年前に始まりました。店の人がフェア・トレードの組織を作ろうと店の連合体を作りました。これがスイスのフェア・トレードの始まりですそして5年前に会社したのがクラロです。
■クラロの紹介
 クラロはチョコレートのほかに、コーヒー・ハチミツ・ドライフルーツを扱っています。クラロの店は130ほどあります。ほとんどボランティアさんの手によって運営されています。ヨーロッパのフランス・オーストリア・イタリア・ドイツ・スペインそして日本にも輸出されています。
クラロのお客様は30〜50代の女性でゆとりのある人たちです。20%は、そのボランティアさん自身が購入しています。クラロは70%が食品を取り扱い、1300品目のうち300が食品に、200が日用品、800は手工芸品ギフト用です。
■フェア・トレード認識団体
 ヨーロッパではマックスハベラーという組織があります。フェア・トレードかどうか認識する組織です。 スーパーなどがマークを申請し、審査して許可をします。そして売り上げの何%かを使用料として払います。このためフェア・トレードの認知度は高まりましたが、よくない側面もあります。
■問題が.......?
 クラロは生産者と「時間をかけて互いのきずな」を作ってきました。一方、力のあるスーパーマーケットは、「審査という形で認定」を取ります。彼らには力があるので、クラロは価格の面で競争力が及びません。目的が一般流通につける目的の認証マークです。
■スイスのバレンタインデー
 スイスでは男性から女性に花を贈ります。花の他にチョコレートもありますがホワイトデーなるものはありません。スイス以外にもドイツ・イタリア・イギリスなどでチョコレートは作られています。しかしマスコバド糖のような黒糖を用い、面倒なプロセスのある砂糖を使っているのクラロだけです。
■ 最近の問題は....?
 新しい商品を求める速度が速く、生産者が考えるのと違ってきています。ワンシーズン以上売れる商品の開発が望まれます。しかし商品の開発には1年かかります。
■社会運動のような......
 店を作って、それからボランティア募集ではなく、やりたい人が集まって資金も持ち寄って市民の方から始まっています。ひとつの社会運動のようになっています。年を取って閉める場合も出てきています。
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以上、2月10日の録音テープをもとにまとめてみました。残念ながら、上京は出来なかったのでグローバル・ヴィレッジにテープを送って頂きました。ありがとうございました。土井ゆきこ

 

★フェア・トレードとは....
 フェア・トレードとは、発展途上国の有機栽培食品や手工芸品等を、公正な価格で取引し、仕事創りから技術支援もする、世界のNGO(非政府組織)を中心に繰り広げられている草の根交流です。より多くの人が、フェア・トレードによる商品を選んで買うことが、発展途上国と共に生きる方向が見えてきます。

『GAIAの会』は、1996年5月発足。女と男、老人と若人、障害をもった人と今そうでない人、南と北の国の人、自然と人...「共に生きる」をテーマに互いに学び合いつながって行こうとする誰でも気軽に参加できる会です。


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