風のたより144号
6月29日ピースボートの船上から書いてから、一気に12月に飛びました。■ 児童労働について
半月がきれいです。9月4日に114日の船旅を終え、船を下りてから2ヶ月が過ぎた。毎日朝夕に見ていた太陽と月と空と星と海...。今はふと思いだしたように見上げる。そして船の上で、周りすべて海の上だった暮らしを思う。
乗船中のこと、乗船後のこと、いつかまとめたいと思いつつ、11月19日東京でのピープルツリーの展示会、11月27日横浜でのネパリバザーロの展示会、11月25日名古屋でのパルシック東ティモールのコーヒーの報告会など、いくつかの報告を端折って、本日上京したセミナー「毎日身につけるコットンについて考える〜インドのコットン栽培と児童労働について〜」に参加したその報告をします。会場は東京都品川区立区民会館「きゅりあん」講師はACEの成田由香子さん
子ども(18歳未満)が、自由に遊ぶことも、学校にかよって勉強することもできず、健康に悪影響を与える労働をしていることを「児童労働」という。■ 子どもの仕事=Child work
「児童労働」は、アルバイトや家のお手伝い、いわゆる「子どもの仕事」と区別されています。
子どもの年齢や成長の度合いに見合っていて、子どもの健康的な成長を助ける仕事、責任感や技能を身につけられる仕事をさします。■児童労働=Child labour
世界の子どもが7人に1人が働いている。■ 児童労働のキーワードは「教育」「発達」「搾取」「危険」
教育や遊びなどの機会を奪うような仕事、子どもの体や心の健康的な発達をさまたげるような仕事をさす。世界には、2億1800万人の子ども(5〜17歳)が児童労働をしているといわれています。
これらは子どもたちの心・体・知的発達を脅かす。■ 貧困からぬけだせない
最悪の形態の児童労働は、以下のようないつも脅かされる行為
@奴隷・強制・債務労働・子ども兵士・人身売買・密輸
A不法行為(麻薬取引・強盗など)
Bポルノ・ポルノ的行為・売春
C危険労働(健康・安全・モラルへの悪影響)
無条件の最悪の労働は、@〜B
Cに関しては、程度を減らすことで安全へと導くことも可能。大人の監視により減らすことができる。
子どもの頃に心身に害を与える労働をしていると、大人になる頃には体を壊して働けなくなってしまう。また学校に通っていないので読み書きができず、他の仕事につけない。■ コットンの人工授粉に40万人の子どもたちが働いている
学校へ行ったことのない親は、就職や生活向上に教育と結びつかない。教育の重要性を感じることができない。
18歳未満の子どもの54%が14歳未満。その70〜80%が女の子。ハイブリッドコットンは人工授粉をしなければならない。しかもいっときに、より多くの労働力が必要である。太陽が昇ったらすぐ、一つ一つ受粉させていく。■ 受粉に携わる子どもの労働状況と教育のこと
@長期(2〜3ヶ月)は住み込み、10時〜夕方6時、夜も9時まで屋内作業。月2000ルピー(5000円)、昼の1時間休憩。2〜3ヶ月休み無し。■ 世界の軍事費の約5日分110億ドルで8000万人の子ども達へ基礎教育費
A日雇いの場合は、日給50〜100ルピー(125〜250円)
B家業として手伝う子どももいる
女の子は畑労働の他に、家での仕事もある。
12歳の男の子の話では、75km離れたところから住み込みできて、風呂は4日に1回、農薬散布の時もそこで仕事をしていたと言う。病気の時も薬を飲みはたけに出た。
農繁期は学校へ行っていても休むことが多い。村の教育環境が未整備ということもあり、親の教育に関する意識が低い。1500人いる村で1〜5年の小学校が140人在籍。 教科書・授業料はいらないけれど、ノート鉛筆は親持ち。農薬の入っていた袋が、カバンになっている場合もある。親の借金のため働く子も多い。
また教育を受けていないために経済観念もなく、政府から3万ルピー借り、10万ルピーの家を建てた人が7万ルピー親戚から借りているという。
世界労働機構(ILO)は18歳未満の子どもの人身売買、子ども兵士、子ども売春・ポルノ・麻薬密売などの犯罪行為など、最も危険で有害な労働を「最悪の形態の児童労働」と定義し、即時撤廃を求めています。■ 児童労働と私達はつながっている
コーヒー・バナナ・チョコレートの原料のカカオや砂糖・ゴム・Tシャツなどの綿・携帯電話に使われる希少金属(レアメタル)など、身の回りにある品々は世界から届いています。だから食べたり、身にまとったり、便利な道具を使う事により、間接的に子どもの体や心の健康的な発達をさまたげていることになります。ただ目の前で見えないだけ。■ フェア・トレードの理念の一つは児童労働よって作られていないこと
想像しよう! どうしてそうなるのか考えよう! そして出来ることを行動しよう!
フェア・トレードの理念は10あります。「生産者への仕事の機会提供」「透明性とアカウンタビリティ」「能力向上」「フェア・トレードの推進」「公正な価格の支払い、必要に応じて前払い」「男女平等」「安全で健康的な労働条件」「子どもの権利を守る」「零細な生産者との長期的な関係」■ 自信に満ちた輝く顔がそこに...
今回は、インドのグジャラード州にあるアグロセル(AGROCEL)という認証済みオーガニックコットンを生産しているフェア・トレードの団体を尋ねた話も聞くことができました。ピープルツリーのTシャツ製品を提供している団体です。
一般に女の子は、話かけたりするとはずかしがったり、隠れて顔を見せない。結婚したら特に夫以外には顔を見せてはいけない習慣もあり家からでない。■ インドで年間6万の自殺者
しかし、アグロセルのジン工場で出会った女の子は、どうどうと挨拶し、自信にみちた笑顔でポーズすら撮ってくれた。ホントに素敵な笑顔で。コットン農家の親に教育のことを尋ねると、「学校へ行くのがあたりまえでしょ」という答えが返ってくる。教育を受けると受けないとの違いが感じられる。ここでのコットン農家の親は教育への関心は高い。また実際識字率も平均で70%(男子81%・女子59%)、子どもの多くは1〜7年までの学校に通い、遠い場合は寄宿学校もある。塾の活用、質の良い私立学校もある。コットンの栽培の繁忙期には通学前や授業後に手伝っている。コットン栽培の仕事で学校を休む事はない。
ほとんどがコットンの農民。連鎖で自殺することもあり、集団で訴えながら崖から飛び降りるという話もある。インドはもともと自然のものを作っていた。その昔からの農法が、「緑の革命」と名を打ち、生産性を高めようと化学薬品・化学肥料に依存する農業に変わった。政府からも支給された。途中から支給がすくなくなっても、1回使ってしまうと抜け出せない。■ 有機農業は有益な農産物を生む
フェア・トレードの取引先であるアグロセルの工場のポスターには「有機農業を行って、有益な生産物をもたらします」と書かれて、ミミズによる堆肥つくりの写真も掲載されていました。他に良質で混合物のないコットンを作ろう! 土に有害物質を入れず、有機農法で栽培しよう! 土には自前肥料のコンポストを使おう! 雨水を使おう!…呼びかけていた。■ 地域全体を良くする活動の協同組合
フェア・トレードは単に環境に不可を掛けない生産をするだけでなく、利益を地域に還元する。学校には飲料設備設置、ノートやペンの支給。スクールバッグの支給、図書館の本、制服なども提供。農民向けには教育やセミナー、道具の提供等している状況も確認できた。
1月31日(土)にはACEの講師を招いて、「児童労働とチョコレート」の話とワークショップを開催予定