風のたより140号 ピースボートより その11 スペインのバルセロナにて
バルセロナの街をツアーのバスが行く。私の目に入るひときわ目立つ建物カサパトリョとカサミラ。わくわくしました! 波うつような外観・建物全体に曲線や曲面、ガウディの作品の特徴である粉砕タイルのモザイク装飾、複雑に絡み合う鉄細工。■ 樹があればそのままに……..グエル公園
口で説明しても、写真でみても、それはまったく平面でしかない。見て感じるあの躍動感は何だろ?
思えば鉄筋コンクリート建築のような四角四面に近い造形は自然界にあるだろうか? 石の結晶などあるかもしれないけれど、やはり曲線が多いと思う。ガウディのことは名前と、奇抜な建造物、今も工事中の教会があるくらいしか彼のことはほとんど知らなかった。
アントニー・ガウディが自然主義の建築家だということをグエル公園で説明をうけ、そのヒントから躍動感を感じる源に思いあたりました。
グエル公園の中、椰子の木を模した橋脚は、道路整備で土手を築く代わりの陸橋で、道路の堀削で出た砕石を利用することで大地と一体化した。歩く人には雨よけに、また車(馬車かな?)を使う人はその上を渡るように作られる過程のなかで、くねった木がその陸橋の中にあった。■ サグラダ・ファミリア贖罪聖堂
あくまで自然のままに、自然の姿を意識した造形をしているから、いままでの建築物に見慣れてきた私には奇抜であるということが、自然に近いがゆえの造形だということと、じわりじわり私のこころの中に落ちてきました。
グエル公園の中央広場をぐるり囲むように曲線のベンチがあります。地球の歩き方の本によると、人体から断面の形が決められたとあります。
カラフルな粉砕タイルのモザイク装飾がこころを太陽にむけて発散するような幸せな気持ちにさせてくれる。モザイク装飾は彼の弟子ジュジョールの作品。そしてこの広場は今でも催物があり利用されています。
この広場に降った雨は土で濾過された水となり、下の100本近い柱をつたって貯水槽に集められるシステムがあります。その天井(広場の下)が水を集めやすい球体を半分に切った形の天井で、そこに施されている粉砕タイルのモザイク装飾が素晴らしい。でも残念なことに(ツアー参加の悲しさ)ゆっくり見る時間がなく、とりあえず写真に収めた。(下の写真)
広場から降りていく階段の中央にモザイク装飾のトカゲの口から水が流れるようになっていて、水位を確かめる役もする仕組みとなっている。
これがまたすごい! 私は信者ではないのでその意味での興味は薄いけれど、石のバイブルとして長さ90mの壮大な聖堂建築が1882年着工され、120年以上たった今もなお工事中というのには驚かされる。■ 6月19日の夕日のグラデーション大パノラマショー
建物の大きさ、造形、時間、何もかも私のいままでの感覚を壊していくような現実が目の前にありました。聖堂内はまるで森のようなイメージと説明する案内書もありましたが、今は工事中なのでその雰囲気はあまり感じない。完成後はそのようにきっと感じるでしょう。天井は殉教のシンボル、シュロの葉のモチーフが形・色(ちょっと薄いオレンジのいろとラメが少しあり)とも魅力的でした。
ガウディは自分の死後も建築が続くことを見越し、造形や装飾の石膏模型を数多く残したそうです。1852年銅器職人の息子として生をうけ、その後建築を勉強した彼は、1926年6月7日市電にはねられ73歳の生涯を閉じ教会の下で眠っている。
工事終了は2020〜25年頃の予定。
いままであまり興味のなかった世界でしたが、急に今日、私のなかに入り込んできました。建築のわかる人にとっては驚異の建物だと想像します。強烈な印象のバルセロナの日でした。世界中から1日1万人近くの人がこの聖堂を訪れるということは、彼の自然の中に生きたいという姿を建築であらわしている、そのことに共感する人が多いということかも? それは平和にもつながる世の流れではないかと、願いと希望を抱く日でもありました。
バルセロナに着く前の日、昨日の夕日は夜の9時過ぎ。海ゆく船の上、雲もなく真っ赤に沈む夕日、そしてそのあとのグラデーションの素晴らしさ!■ 朝日をみながらの、モーニング紅茶
それは沈む夕日の近くだけではない。船上をぐるりと歩くと広がるその四方の空もピンクや水色などのグラデーション。ぐるりと。そのグラデーションの中を1時間ちかく歩きまわりながら、変わり行く海と空の色へんげを楽しみました。洋上のぐるり大パノラマショーでした。
本当は満月のような月がでるはずでしたが、待ちきれずキャビンに戻りました。今朝、昨晩の月がくっきり一つの明るい星と一緒に出ていた。5時半ごろのこと。そして今朝の朝日もきれいでした。
日の出前後の時間、デッキを歩いてから、6時半からのモーニング紅茶を飲みます。(あまり美味しくないけど暖かいそしてありがたい。コーヒーは私には濃くて飲みづらい)最上階のデッキにあがり朝日をみながら、四方の海をみながら体を動かします。これがわたしの一日のはじまりです。