風"s・風のたよりオンライン版


2008/6/17 No.138

風のたより138号 ピースボートより その9 地中海にて

■ 中東からヨーロッパへ
 横浜を出航してから1ヶ月も過ぎました。中東からヨーロッパへと航海は続きます。通貨もユーロへと変わります。
 一昨日はトルコの古代遺跡を3箇所巡ってきました。世界遺産にはまだ登録されていませんが素晴らしかったです。


(写真はディディム遺跡)

 ディディム遺跡の高さは20mくらい。柱1本の太さは人が5人かかえる程。有名でなく観光客がほとんど行かない遺跡でした。
 昨日は、ギリシャのアクロポリスに建つパルテノン神殿を見てきました。
 いつも工事をしていると聞いていましたが、大々的に工事中でした。アテネの町を見下ろす丘の神殿はアテナ神を祭り2500年前に建てられたが、15世紀に東ローマ帝国を滅ぼしたイスラム軍の砲撃を受け大破。その後1800年代になって、イギリスの大英博物館(別命泥棒博物館とトルコのガイドさんは言っていた)に彫刻の大部分が運ばれてしまった。現在では返還運動がおきている。
 野外音楽堂は改修され今なお使われて、有名なオペラ歌手らも公演しているという。ちょっと崩れた外壁の中は大理石でつくられた5千人くらい収容できる立派な野外音楽堂。古きものと共存しているアテネの町ですが、一方では環境のことも考えている町だと感じました。
■ アテネの観光バスは、32度の室内気温
 動きだし、しばらくすると30度くらいになるのですが、炎天下を歩いてきたあと乗るバスは「ヒヤ〜」として欲しい。でも、エンジンをかけ冷やすことは禁じられているそうです。観光の街でこの徹底さは素晴らしい!と思いました。
 街の屋根できらきら光るのは太陽光発電をしているそうです。
■ アテネから乗船の水先案内人 ゲザ・テセンニさんとフィッシャー夫妻
 「気候変動と紛争の意外な関係とは?」と題して講演会が企画されていました。船内新聞(たびいろ)によれば「今、70億人もの人類という大家族が地球規模で様々な問題に直面している。それらの問題の解決のために人生の方向を転換したり、自分のもつ能力や時間を費やすことは惜しまない」という信念のもと、人と環境、そして人間同士の平和構築に尽力を尽くしているゲザ・テセンニさん。
 過去20年間、ヨーロッパ諸国における難民保護や移民の受け入れを行い、彼らの受け入れ国への統合に関わってきた。それは異文化間の協力、または紛争、そして多様性をどのように治めるかという大きな課題に直面することだった。これらは、互いに密接な関係があり、人類という大家族に大きな影響を与える。
 私たちの地球を暮らしやすい状態で次の世代へ引き継いでいくには、現在の環境汚染を短期間で大きく転換しなければならないのは周知の事実である。
 そして、移民や紛争の問題を考えたとき、気候変動による予期せぬ結果も考慮しなければならない。移民問題や紛争は有史以来常に存在していたが、気候変動が我々を脅かす今、強制的な大移住が予想され、民族間あるいは宗教間の紛争が劇的に増すだろう。
 私たちの任務は、これらのピンチをチャンスにすること。市民による外交を応用することで多様性の共存と良き統治を達成できる。
 ...ということで話は、16・17日と2回聞きましたが、どうも具体的な話にたどりつかないもどかしさに、理想論・机上論のような気もして今晩で最後の彼の講座は、夜10時に終わるということもあってパスします。
 「ピンチをチャンスに」「予防する」「大きな問題=気象変動に70億の地球家族がひとつになって!」ととても惹かれた内容でしたが、納得は出来る内容ではなかった。
■ 旧ユーゴ国際戦犯法廷の調査員と夫と、芸術家の妻、フィッシャー夫妻
 明日18日ナポリ、20日バルセロナ(スペイン)の寄港後、フィッシャー夫妻による講義がはじまる。ボスニア出身のネナドさんとクロアチア出身のネベンカさん夫妻は、旧ユーゴスラビアの法律の下、結婚届けを出した最後のカップル。それは戦渦のなか、法的結婚がなければ別れなければならない状況でした。
 その結婚する施設が土曜日しか空いていなかった。新しい法律は金曜日に施行されその法律のもとでは、結婚ができなくなってしまいます。そこでネベンカさんの友達で著名な女優が、政治家に電話して月曜に延ばしてくれたので、結婚することが出来たという話を披露された。
 夫のネナドさんは哲学を学び学校で教えていましたが、戦争犯罪を調べるという全然違う分野に移りました。妻のネベンカさんは、今日フラメンコを披露してくださったように、舞踏家であり画家であり、ビデオ作家であるという多彩な芸術家で、芸術は魂の浄化につながるというようなメッセージもだされていました。またフラメンコはスペインだけでなく、オランダにもあるということでした。
■ 芸術は魂を浄化
 いろいろな時に出会います。「芸術」がいかに大切か! ということ。
 今年1月に尋ねたグァムの先住のチャモロ族の人たちも芸術村をボランティアの手で今つくりつつある。アメリカ占領下、生き残るには芸術を絶やさないこと、それが生きるエネルギーになるという。
 また5月15日ピースボートに乗船して聞いた講演会で、ジャーナリストの伊藤千尋さんの紹介された話も芸術のことに及んでいました。
■ 感謝すること。百姓すること。芸術すること。
 彼が南米の特派員だった時のこと。
 サンパウロから車で8時間行った奥地。日系人100人くらいの農場での話です。
 兵庫県出身の日系人の経営する農場は、「感謝すること。百姓すること。芸術すること。」この3つをモットー。そこには弓場(ゆば)バレー団がある。大型バス2台でブラジル全土を講演して回る。日本でも公演したことがある。実際に行ってみたら小屋のような劇場があった。20人くらいの女性が踊っていたがすごい迫力。一人一人輝いている。マンゴもいでいた人達である。昼間農業やっていた人がバレーの衣装をきている。
 ことの始まりは、日本からバレーを捨ててやってきた女性がこの弓場農場へきた。着たら「芸術を!」ということだった。自分はバレーの発表会などがいやになった。人間関係でいやになった。日本でバレーをすててきたが、バレーしかできない。そこで問われたことは「本当に芸術やっていたのか? 」実際にやってきたことは、人間関係……..そんなことばかり。ブラジルは自由だった。女の子達にバレーを教えたというのが始まりだそうです。
■ おじいさんの弾くピアノの音
 昼間に、ピアノの音色。実に美しい曲、こころうつ音色、チャイコフスキーの曲。行ってみたら手作りの劇場におじいさんが弾いていた。泥がついた長靴がぬいであった。この音色には感動した。
 40才過ぎた彼は、農場にきてはじめてピアノを弾いた。5歳の時ブラジルへ移住。意見が合わないで農場を一人で転々とした。たどりついたのがこの農場。「芸術しろ」とありピアノにさわった。今までそんな余裕はなかった。「芸術っていいもんだよ。」と彼は言ったそうです。
■ アイヌの人も昼間はラーメンをつくり夜は民族音楽を奏でていた
 10数年前、北海道の屈斜路湖畔のアト。(実際は。は上につく)イという家族で公演している舞台を見に行った。夜は確かに舞台を見下ろす客席があり、そこでアイヌの踊り・歌が繰り広げられていた。本格的な舞台です。全国をトラックでまわっていたTVドキュメンタリーを見て惹かれたいた。
 翌日そこは、食堂になっていた。昨日舞台で歌って踊っていた人がラーメンを作っている。なんだか面白いと思った記憶がよみがえってきた。
 自然と一緒に暮らしている人は、歌って、踊って、絵を描いてという芸術と呼ばれるものは生活の一部だったのでしょう。皆そのような手段をもって魂を浄化させていたのでしょう。
 得手、不得手はあれど今後の生活のなかで私の芸術なるものを手にしてみたい!と改めて思います。
■ 船上のフラダンスと祭り太鼓
 ピースボートの自主企画は多彩です。私のやりたいこともいっぱい企画されています。デジュリドゥ・オカリナ・サルサ・社交ダンス・写経・百人一首・太極拳・ヨガ・童謡など歌う会・三線・卓球クラブ・絵手紙など
 体は一つ、英語の勉強も重きを置いているので絞ってフラダンスと和太鼓。海をみながらのフラダンス発表会、楽しみです。祭り太鼓も勿論、いくら轟いてもそこは海の上。何をするにも気持ちのいい空間です。毎日毎日、進みゆく船の波をみながら、水平線をみながらこころを洗っています。

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