風"s・風のたよりオンライン版


2008/6/12 No.137

風のたより136号 ピースボートより その8

 航海がはじまって、数日後から寄港プログラムのない毎朝、日の出を見るのが日課です。雨の日は1日だけ、でも水平線から太陽がでることはなかなかなく、快晴でもいつも水平線には雲がかかっていた。
 今日は、もやのようなものがかかっていたが、太陽がくっきり顔をだした。きれいな朝日を見ました。デッキは今朝はちょっと冷えて、一枚では寒いくらいで上着を羽織りました。また日の入りは19時57分、暗くなるのは21時近くということで、長い一日です。
 夜は8Fのプールデッキサイドで、中東のベリーダンスとパレスチナの文化紹介ということでパレスチナ流の結婚セレモニーが行われました。新郎新婦を真ん中にみんなが踊ります。
 ベリーダンスは英語の先生指導のもと、船内で練習に励んだ女性たち20人くらいがエキゾチックなアラビアンナイトに出てくる挿絵のような踊りを披露してくれました。みんな楽しいんでいます。
 さて、本日参加の講座は………大学生のパレスチナ女性。PLO(パレスチナ解放戦線)について厳しいことを言っていました。ワシムさんとは随分違います。

■ 教えて!スーザン
 ヨルダンのパレスチナ難民キャンプで現地通訳をしていた、ヨルダン国籍を持つ難民三世のスーザン・フセイニ(21歳女性)さんがヨルダンから急遽乗船となった。
 クウェートから3歳の時ヨルダンに逃れてきた。91年の湾岸戦争でジャーナリストだった父親が反政府的とされ収容されることになり、身の危険を感じ、家族は父親と離れヨルダンに来ました。
 今回難民キャンプのことを、もっと聞きたいと4人の若者が彼女を囲んで質問をしました。
■ 質問に答えて
Q1「難民キャンプの女性センターを訪問したが、どんな仕事につけるのか?」
A1=薬局が21、銀行が6〜7、店もあるので学士号などの認定書があると、どの分野でも就職は可能。女性だからといって差別されることはない。大学に行っていない人は幼稚園(9つある)小学校、障害者センターなどの仕事もあるが、あまり仕事がない。子どもも多いから子育てで手いっぱい。
Q2=「大学にいける人はどれくらい?」
A2=公立はそれほど授業料は高くない。親が働いていれば可能。ヨルダン国籍であれば大学行く権利がある。しかし交通手段など問題もある。今20113世帯ある難民キャンプで、1400世帯は1ヶ月50ドルの家賃が払えないという経済事情もあり難しい。
Q3=「イスラムの女性はヒジャーブをかぶり、髪も肌も出さないけれど、あなたは私たちと同じように髪も肌もだしているけれど、みんなはどう思っているの?」
A3=普段はアンマンにいますが、みんなは私をパレスチナ人と知っている。難民キャンプでは女性たちは興奮して触ってきました。都市と離れたところではちょっと違う。首都アンマンではスーザンのような服装は普通。(私がバスから見たところでは、アンマンでヒジャーブをかぶっていたけれど、スーザンが通う大学のその周辺はスーザンのように私たちと同じ感覚なのかもしれない)
Q4=「イスラエルの人と話したことはありますか? もしその時がきたらあなたはどうしますか?」
A4=宗教や国籍で判断はしたくないけれど、笑顔は難しい。人柄で判断したいと思うけれど難しい。(葛藤があるようです。ラミ君がピースボート上でイスラエルの女性と出会った時と同じような心の状態だと思います。風のたより133号 ピースボートよりその4参照
Q5=「PLO(パレスチナ解放戦線)をどう思いますか?」
A5=平和的解決とみんなが言うけれど、とても難しい。イスラエルにいる家族・親戚に聞いてもとても受け入れられないのではないかと思う。ますます悪化している。平和的話し合い、交渉など政府間の話は別のようだ。考えても考えてもうまくいかないだろうと思う。言葉だけでは乗り越えられない。傷跡は深い。今のPLOは強い意志をもってやってくれないので、パレスチナのことはすわって、殺されるのを見ているだけ。もし、真の交渉をしているのならイスラエルから議長は殺されている。何もしていないからそうではない。20〜30年前PLOはがんばっていた。アラファト議長が死ぬ前は体の調子がよくないせいか、ただ見ているだけのようでもあり、悪い影響を受けたようにも思える。
Q6=「あなたの夢は?」
A6=いっぱいあるけれど、パレスチナにもどって仕事や研究をしたい。今まで5回イスラエルにもどりたいと申請したけれど却下された。パレスチナに身を置いて解決策を模索したい。今、経済学を学んでいるが、イギリスに渡り修士・博士号を取り、どのように発展していく可能性があるか、パレスチナ経済発展のために働きたい。中東の悪いイメージを払拭して、正しいイメージを伝えたい。日本にたいしては、憲法九条を持ち続けて欲しい。もし武器を持つようなことになればパレスチナと敵対する関係になってしまう。

5日間の旅は思い出深いものになります。ありがとうございます。........................ということでした。
■ 日本の若者の感想
 質問をし交流した若者4人は、ピースボートに乗ってこの問題を知るまで、9・11のテロ事件以来、中東は怖いとニュースをそのまま受け取っていた。自爆テロには走らざるを得ない何かがあったと想像した人もいたが、大体の人は中東の人は頻繁にテロをすると思っていたようです。
 スーザンは、意味もなく命を投げ出すはずもなく、アラブからのサポートもなく孤立化し、追い詰められた最後の手段と説明し、決してテロはよくないがその事情も知って欲しいと結んだ。
■ 仙台「パレスチナオリーブ」から届くフェアトレードの品と情報
 風”sでは、10年近く前から仙台にある「パレスチナオリーブ」というフェアトレードの団体からオリーブ石鹸・オリーブオイルを取り寄せ店で扱っています。常にイスラエル支配下の状況などを「ニュース」を品物と一緒に知らせてくれます。もっと他の人にわかってもらえるよう私も広報しなければと今回思いました。一部の人が知るのみで、多数の人々に本当の情報は届いていないと知りました。
■ 九条で日本人がノーベル平和賞に、九条を世界遺産に!
 憲法九条を捨てるということは、敵をつくることだと改めて思いました。一旦戦いがはじめれば、それは永遠に戦い続けなければならないのかもしれない。パレスチナ・イスラエル問題や世界各地から届くニュースのように暴力の応酬が果てしなく続くかもしれない。
 憲法九条を持って、コスタリカのように平和外交をして、日本人がノーベル平和賞をもらえる日を夢みたい。
 世界遺産に登録をするには、どのように誰が手続きするのでしょうか? たぐいまれなる奇跡のようなこの憲法九条を世界遺産に登録したいですね! 世界各地の世界遺産をまわって、そう思います!
 明日は、昼にトルコのクサダシという港に着きます。

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